成婚率の功罪
先に言っておきますと
成婚率に惑わされないで、というのが今日の結論です。
婚活をされている方で、結婚相談所への入会を検討する際に、気にする数字の一つが、「成婚率」だと思います。
この数字が高い相談所ほど、いい相談所(結果が出る)のように感じますよね。
因みにこの成婚率、という言葉と数字を初めて世の中に出した企業というのは、コンハウス株式会社という企業です。
(詳しくは私の経歴⑥をご覧ください)
当時私たちは様々なアイディアで多くの成婚者を出していましたが、この業界で成婚率という概念自体がありませんでした。
そこで、私たちはそれを数値化して公表しようと考えました。
(それだけ自信があったからだと思います)
ここで一番難しかったのは成婚率の定義でした。
何をもってその数字を出すべきなのか?
当時私たちは業界で初めて
「一年以内に結婚を目指す」というコンセプトの
カップリングパーティと
そのコンセプトをより実現させるために
独自に開発した1:1のパーティ(プライベートパーティ)
を提供していましたので
当社の会員になって
「一年以内に結婚退会する方の割合」を成婚率と定義しました。
その数字が、当時30%~34%くらいになりましたので
「一年以内の成婚率30%超」
「3人に1人は一年以内に結婚できる」ということをアピールしました。
そしたら、とある大手情報サービスからはクレームが入り、物騒な電話も入ることもありました。当時は怖いもの知らずな面もありましたので、
「じゃあお宅も出せばいいじゃないですか!出せるだけの数字あるんか?」
「結果出してから文句言うてこいや!」
「お前らできないからといって嘘はつくなよ」
と強気なことを言っていましたが、今になってこの業界を見たときに
成婚率というものを表に出すという行為に関しては
非常に功罪があったなと感じています。
もっと言うと、功の部分はもちろんあるのですが、罪の部分が大きかったのかなと感じています。
仮に我々が成婚率を出していなかったとして、もしかしたらどこかの誰かが言いだしていたかもしれませんが、今、様々な形で多くの結婚相談所が成婚率を出しています。それにより消費者は混乱しているのではと推測できます。なぜか?
よく見ると、その定義がバラバラ。
・全退会者のうち成婚退会者の割合
・一年のうち成婚退会者÷入会者数
・成婚退会者のうち当相談室及び所属連盟での成婚者の割合
など
これ、何をしているのかというと定義という名のもと、
数字を大きく見せるための操作であることがほとんどです。
よく見ると小さく補足では書いてありますがお客様によってはそこまで見ない(気が付かない)だろうなと思います。
表向きの 成婚率50%超! 驚異の90%! みたいな数字だけに
目が行きあたかも優秀な結婚相談所であるように思わせる。
そしてその数字だけを見て判断するのでいかに大きな数字を出すか
みたいなことが競われています。
ひどいところになると会員1人がいて、その人が成婚したことで
成婚率100%と高らかに唱っている所もあるそうです。
挙句の果てに、成婚率だけでなく、お見合い成立率、交際率、などあらゆる項目ができ、訳の分からない数字が乱立してしまっているのが今の現状です。単に大きな数字を出して目立ちたいというのが本音でしょう。
相談所として差別化を図ることはビジネスなので当然だと思いますが
さすがに節操ないなと思いませんか。
もし出すとするなら、業界として
・定義の統一
・会員規模のすみ分け
を行わないと規格もルールも曖昧な状態で誰が一番か、と言っているようなものです。
でも現実的には難しい、、
そんなことを考えたときに、当時タブーとされていた成婚率を公表することが本当に良かったことなのかなと、考えてしまいます。
批判したいわけでも文句が言いたいわけでもありません。しかも自分たちが言い出しっぺみたいなことですので元の責任はお前たちだろ、といわれると何とも言い難いものですし、また、私のような個人が業界に警笛を鳴らしたところで今は何も影響もないですし、何も変わりませんが
やはり業界が健全であって初めて仕事が成立しますので何とかしたいなという思いで書いています。
あまり大きなことを言うのはどうかとは思いますが、私は結婚相談所を運営していますが、最終的にどうしたいの?と言われたら、勉強したい子が学習塾に通うように、20歳になったらお酒が飲めるように、社会人になったら年金を払うように、
私は適齢期になったら婚活をするのが当たり前の社会を作りたいと思っています。
その為には、結婚相談所というのは素晴らしい、婚活業界というのはなかなか立派な仕事だ、と思ってもらえるようにならないといけません。
なんだか愚痴のようになってしまいましたが、一番お伝えしたいことは
冒頭にも申し上げた通り
成婚率に惑わされないで
ということです。婚活において大事な数字ではありますが、その裏付けや定義が様々あるという事を知っておいてください。
このことをわかったうえで相談所選びをしてほしいと思います。
そして、数字はあくまでもその相談所の数字であり、あなたの数字ではない
ということです。つまり
極端な言い方ですが
成婚率で選ぶ=他人事(他人軸)で判断している
ということでもあります。
一番大切なこと、それは
貴方にとっての成婚率は100か0しかないという事実です。
仮に成婚率95%の相談所があったとしても、残りの5%に入ってしまったら意味ないですよね。
婚活は自分ごとで判断してください。
自分ごとで判断するというのは
・自分が本当に結婚したいのか?
(なぜ?何のために?誰のために?どうやって?いつまでに?)
・その為に伴走してくれる人は誰がベストか?
・その人と話をしていて明るい未来が描けるか?
・万が一叶わなかったとしても後悔しないか?
までを考えることだと思います。
難しいかもしれませんが、自分の人生ですから自分事で判断しましょう。
そして後悔のない婚活をしてほしいなと思います。
その為にも、成婚率を例に出していますが、一つの事だけに
惑わされることなく、冷静に俯瞰で見ることも大事ですね。
逆に言うと、そこまで自分を見ることが出来れば婚活の意義は
半分くらい達成できています。
あと(残り半分)は動いて結果を出すだけ。
皆様の婚活が人生のかけがえのない期間となることを願っています。